読書家として知られる先輩経営者からお勧めされて読みました。
結論としては、この本からは公私問わず既に様々な影響を受けていることを実感します。
冒頭は、タイガーウッズとロジャーフェデラーについて言及することから始まります。
どちらもそのスポーツでは偉大な王者として長期間君臨した人物ですが、その過程は対照的なほど異なるというのです。
タイガーウッズは、2歳からゴルフクラブを握り、幼少期から専門特化したゴルフ教育を受けたことにより、偉大なゴルファーになったことから「早期教育」の重要性や「1万時間の法則」など、全世界のあらゆる分野に大きな影響を与えました。
一方でフェデラーは、テニスに専念したはのは14歳頃のことであり、それまでは、バスケやサッカー、 卓球など多様なスポーツをやっていたというものです。
そして、その多様な経験が、あの強いフェデラーを礎になったと。
本書は、専門特化ではなく、知識の幅の重要性を多様な事例を交えて説明するものです。
私自身も小さな子供の親である身から、
「タイガーウッズのように早期に専門性の高い教育をした方がいいのかな」という思いをぼんやり持っていましたが、本書によって迷いが消えました。
また、人のキャリアに関する見方も大きく変わりました。
専門性を持たず、あれこれと脈絡のないキャリアを有する人に対して、かなりポジティブな見方をするようになりました。
かく言う私もずっと不動産業界に足を置きつつも、専門特化というよりは、幅広い経験を積んできました。
ややコンプレックスのような感覚もありましたが、誇らしいものと見方を変えました。
今後、時代の変化の速度は、ますます早まります。
そのような環境の中においては、専門特化によって身につけた技術や知識の価値が薄まるのも残念ながら早いのです。
その備えとして貴重な示唆を与えてくれますので、私自身も多くの人にお勧めしたいなと思ってます。