私が若かった頃、上司からの指示・依頼は全て無茶振りだと感じていました。
それは単純に自分の能力不足なだけであって、経験や知識が上がるにつれ、そうは感じなくなってきました。
そうなると仕事量というのは増えるもので、すぐさま、
ほぼ一人の上司からの依頼で手一杯な状況になり、「どこから手をつけたらいいですか?」を相談せざる得ない状況となりました。
しかし上司からは、「そりゃー、お前、それがセンスってもんだろ」と笑顔で回答されました。
「えーっ?」と思ったのですが、その日からの私は、
依頼の重要度・緊急度に対するアンテナ、そして実行する順番の優先順位について真剣に考え(というか空気を読む)ことに、
魂を込めました。
すると徐々に、この依頼は、「○○社関係だからスピード重視だな」とか「あ、これは社長の依頼なので、優先順位を一番に繰り上げよう」とか「入札締切が来週だから、この仕事の次にやれば良いな」ということがクリアにわかってきました。
実際に実行すること以上に、どの順番で行うかを真剣に考える時間が、出社後から朝礼後までの重要なワークとなり始めた頃、
私の社内での評価が上がっていったのでした。
ただ、これは2004年頃のことであって、SNSもなければ、slackもgoogleドキュメントもない時代で、
飲みニケーションばっかりやっていた中で培われた関係性のような感じなので、今の時代にもこうすべしというつもりはありません。
むしろ、当社では外国人スタッフも多いので、このような「阿吽の呼吸」的なものは美徳とはしないカルチャーとしました。
その結果、リモートワーク中心のワークスタイルになっても全く支障がないというメリットがあるのです。
ただ、何というか、今、東京に出張してまして、ガストで仕事してるのですが、「かつてその上司と来たなこのガスト」と思い、
そんなのも案外良かったよなぁと感傷に浸ってしまったのでした。