不動産業界や金融機関とのコミュニケーションでは、とかく「稼働率はどうなりますか?」問われることが非常に多いです。
特に金融機関や不動産業界関係者からは、よく言われます。
これは賃貸マンションの賃料が相場によって固定されてることを前提としています。
しかしながら宿泊業では、繁忙・閑散に合わせて宿泊料を細かに調整するダイナミックプライシングを採用してることが一般化しているので、
一定ではありません。稼働率を高めたかえれば、宿泊料を下げれば容易に実現するということでもあります。
また同様に「いくらで貸せますか?」という質問も多いですが、
「繁忙期は4万、閑散期は1.2万くらいです」という意図とはずれた回答になってしまいがちです。
そのため、当社では年の繁忙閑散、曜日の繁忙閑散などを加味した収支シミュレーションを作成し、稼働率別ごとの営業利益をしっかりと示しながら
ご説明させていただくようにしております。
宿泊事業は、アパートマンションのようなレジデンスとは違い、ボラティリティー(価格変動)が大きいことが魅力でもありリスクでもあります。
そのため、投資指標として重視される利回りにおいても、レジデンスより少し高い程度で安易に手を出すべきではないと考えております。
では、稼働率よりも大事な指標は何かと問われれば、宿泊施設として運用した場合、レジデンスの賃料と比較してどれくらい高い営業利益が見込めるか?
というところに尽き、私の造語かもしれませんが、「対賃料比営業利益」こそが最も重視すべき指標だと考えております。
例えば、賃料7万円(=年間84万)という物件があった場合、
宿泊業であれば年間200万の営業を利益だとすれば、対賃料比営業利益は2.38倍となります。
この指標を重視すると、投資すべき物件がどのようなものであるかも自ずと見えてきます。
例えば、築古物件の方が築浅よりこの倍率は高くなります。また平米数が大きい程、この倍率は高くなります。
ただ、築古の場合は、回収コストが嵩むので、安易におすすめというわけにもいかないのも、この事業の難しくも面白いところです。