毎年恒例の大御所タレント東野幸治さんとテレビプロデューサー佐久間氏による年間視聴コンテンツの優秀作について語らうYouTube動画で知った映画『ルックバック』を、プライムビデオで観ました。二人が声を揃えて「年間No.1」と評価する作品だけに期待値は上がる一方でしたが、その期待を超えて私は大号泣してしまいました。
ここから先はネタバレを含む感想になりますが、私がこの作品を通して感じた最大のテーマは、「誰のために漫画を描くのか」という問いでした。そして、その問いを自分の立場に置き換えた時、「誰のために経営をするのか」という考察に至ったのです。
映画の二人の主人公と、私たちの仕事
物語では、主人公二人が絵や漫画に向き合う姿勢が描かれます。藤野さんはクラスメイトに対して「時間がなくて5分で書いたんだよね」と軽く言いながらも、実際は膨大な努力を重ね、京本さんの才能に触発されてさらにレベルを引き上げます。一方で、京本さんは藤野さんを尊敬し、その漫画を楽しみにした大のファンなのでした。引きこもりであった京本さんは、その藤野さんに誘われ外の世界を知り、そして藤野さんの背中を見るだけでなく
いつか横に並びたいという思いが物語を大きく展開させていくのでした。
誰のために経営をするのか?
映画では、藤野さんが漫画を描く原動力は「京本さんのため」であると感じさせる描写がされています。
それを観て、「では私は、誰のために経営をしているのか?」と改めて考えさせられました。
経営学的には「ステークホルダーのため」という答えが模範解答でしょう。
しかし、もっとリアルな感覚で言えば、「誰かの笑顔が見たい」「誰かに褒められたい」という個人的で感情的な動機が、
実は最も大きな原動力なのではないでしょうか?
この映画を観て、私は「経営の原点」に立ち返ることができました。『ルックバック』は、
単なるエンターテイメントの枠を超えて、私たちの人生や仕事に深く問いかけてくれる作品でした。