先日、北海道アヴァントを体験する機会がありました。くったり湖の湖畔に設置された5台のユニークなサウナで体を芯から温めた後、水温0.5度の湖に飛び込むという天然の水風呂を楽しむという内容です。冬の静寂に包まれた湖畔、その幻想的な景色を眺めながら、ガウン1枚という薄着にも関わらず、不思議と寒さを感じない体験は、言葉では表現しきれない感動を与えてくれました。仲間たちも大喜びで何度もチャレンジし、心も体もリフレッシュできるひとときとなりました。
この体験の裏側には、3年間にわたる実証実験があったと聞きます。極寒の湖に飛び込むというアクティビティに安全性を確保するための水温や体調への影響検証、さらには水質検査も徹底されていたとのこと。その努力があったからこそ、安心して楽しめる北海道ならではの特別な体験が実現したのです。
また、サウナの本場であるフィンランドの「アヴァント」を北海道に根付かせようとした関係者の情熱にも心を打たれました。自然を活かした新しい観光コンテンツを創り出すための挑戦の連続だったことでしょう。その結果、今では1年先まで予約が埋まるほどの人気アトラクションとなり、くったり湖周辺に新たな価値を生み出しました。
私が強く感じたのは、アヴァントがなければ、くったり湖は観光地としては魅力が限定的だったかもしれないということです。しかし、人々の情熱と努力によって、新しい観光体験が創り出され、地域全体の価値が大きく高まりました。この事例は、星野リゾートのトマムで展開されている雲海ツアーにも通じるものがあります。特別な自然環境を活かし、人々を惹きつける体験を創り出す力には、本当に驚かされます。
現在、観光庁も新しい観光コンテンツを創出する取り組みに補助金を提供しています。その中から、アヴァントのように地域の魅力を大きく引き出すコンテンツがいくつも生まれるかもしれません。ただ、重要なのは単なるお金儲けを超えた、地元を愛し、その魅力を最大限に引き出そうとする情熱を持った人々の存在です。不可能を可能にするその力こそが、未来の観光を作り出す鍵なのだと思います。
アヴァントを体験しながら感じた、人々の情熱と創造力の素晴らしさ。私たちも地域に貢献できる新たな可能性を探していきたいと感じました。ぜひ皆さんも、くったり湖のアヴァントで北海道の魅力を体感してみてはいかがでしょうか。