2025年3月、Yahoo!ニュースで「民泊における人数詐称」に関する記事が取り上げられました。
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この記事を目にして、改めてこの問題が私たち民泊運営事業者にとって、そして健全に利用してくださるゲストにとっても、大きな課題であると実感しています。
■ 背景にあるルール強化と、その副作用
2024年6月、Airbnbが「住宅宿泊事業法(いわゆる“民泊新法”)に基づく物件」について、防犯カメラ設置に対する規制を強化しました。
本来これはプライバシー保護の観点から当然の措置ですし、我々ホスト側も配慮すべき点であることは間違いありません。
しかしこの規制強化が、皮肉にも「チェックイン後の監視が弱くなる」ことを意味し、
結果として悪意ある宿泊者が「バレずに定員オーバーをしやすくなった」と感じているようにも思えます。
実際に、当社でも2024年後半から「明らかに申告人数より多い宿泊」が散見されるようになりました。
もちろん全てのゲストがそうではありません。ただ、少しずつこうした事例が増えることで、
「民泊ってトラブルが多いよね」というイメージが世の中に浸透してしまうことを強く懸念しています。
■ 誰が損をするのか?
こうした人数詐称による違反行為が続けば、まず真面目に営業しているホストが被害を受けます。
オーナー様との信頼関係が揺らぎ、運営側にも精神的・金銭的負担がのしかかります。
一方で、善良なゲストにも影響があります。
たとえば「事前に人数をきちんと申告し、マナーを守るゲスト」までもが、ホスト側の疑心暗鬼によって
厳しい対応をされるかもしれない。それは本当に不幸なことです。
■ Airbnb Japanとの対話、そして限界
当社もこの問題について、これまでAirbnb Japanと何度か意見交換を行ってきました。
彼らも事態の深刻さは理解してくれているものの、やはり1プラットフォーマーの対応だけでは限界があります。
ましてや、1事業者である我々だけの声では、制度やルールを変えるには力が足りません。
■ 業界団体という選択肢。でも…
本来、こうした課題にこそ「民泊系の業界団体」が機能すべきです。
プラットフォームや行政に対して、ホストの代表として声を届ける役割は、業界団体が担うべきでしょう。
ただ、残念ながら現在存在する業界団体の中には、活動実態が不透明だったり、
個人的な営利目的に近い印象を受ける団体も散見され、「どこかと連携しよう」と簡単に踏み出せないジレンマも感じています。
■ どうすべきか?熟考中です。
「業界をよくしていきたい」という思いは本物です。
ですが、どのように関与するべきか、どのような立ち位置で声を上げていくべきか。
正直、今もまだ模索中です。
もしかすると、信頼できる仲間たちとともに、ゼロから何かを立ち上げるべきなのかもしれません。
あるいは、既存の団体の中に、信頼できる人間がいるならば、共に手を取り活動する道もあるかもしれません。
この問題は、決して一過性のものではありません。
今後も継続的に考え、行動していきたいと思います。
MASSIVE SAPPORO
代表取締役 川村