社長ブログ

AIは宿泊業の仕事を奪うのか?――MASSIVE SAPPOROが考える「AIと人」の役割

ここ1年ほどで、ChatGPTやGeminiをはじめとした生成AIが急速に普及しました。

宿泊業界でも、「AIで問い合わせ対応ができる」「フロント業務がなくなる」といった話題を目にする機会が増えています。

では、本当にAIは宿泊業の仕事を奪うのでしょうか。

私は少し違う考えを持っています。

AIは人を減らすためのものではなく、人の力を底上げするためのものだと思っています。

MASSIVE SAPPOROが抱えていた課題

宿泊施設を運営していると、ゲストから毎日さまざまな問い合わせが届きます。

「チェックイン方法を教えてください。」
「駐車場はありますか?」
「近くにおすすめの飲食店はありますか?」
「子ども用の備品はありますか?」

一見すると単純な質問ですが、実際には施設ごとに回答が異なります。

さらに、社内には長年の運営で蓄積されたノウハウがあります。

例えば、

  • トラブルが起きた際の対応方法
  • OTAごとの運用ルール
  • オーナーごとの要望
  • 地域特有の情報
  • 社内で培われたベストプラクティス

こうした知識は、新人がすぐに身につけられるものではありません。

その結果、ベテラン社員と新人社員の間には、どうしても対応品質の差が生まれていました。

ChatGPTだけでは解決できないこと

もちろん、ChatGPTやGeminiは非常に優秀です。

一般的な質問に対しては、高品質な回答を短時間で作成できます。

しかし、それだけでは解決できない課題がありました。

生成AIは、私たちの社内マニュアルや過去の対応履歴、運営ノウハウを自動的に理解しているわけではありません。

つまり、「一般論」は答えられても、「MASSIVE SAPPOROとして最適な回答」を作ることは難しかったのです。

宿泊業では、この違いがとても重要です。

社内の知見をAIに学ばせる

そこで現在、私たちはX3D社と共同で、社内に蓄積された知見を活用するAIシステムを開発しました。

このAIは、ゲストからの問い合わせに対して、社内データベースや過去の運用ノウハウを参照しながら、MASSIVE SAPPOROとして最適な回答案を作成します。

これは単なるチャットボットではありません。

長年積み上げてきた現場の知識を、新人でも活用できる仕組みです。

その結果、ベテラン社員と新人社員の対応品質の差を大きく縮めることができました。

AIは経験を「共有資産」に変える

私は、この点がAIの最も大きな価値だと思っています。

これまでは、一人の社員が経験して身につけた知識は、その人の中に蓄積されていました。

しかしAIを活用することで、その経験を会社全体の資産として共有できるようになります。

経験豊富な社員の知見が、新人の力にもなる。

個人の強みを組織全体の強みに変えられる。

これこそがAIの本当の価値ではないでしょうか。

約2,000万円の投資。でも、その価値は十分にある

今回のプロジェクトは、開発費だけで約2,000万円規模になるプロジェクトです。

もちろん、中小企業にとって決して小さな投資ではありません。

一方で、今回はIT導入補助金を活用することで、投資負担を抑えながら実現することができました。

こうした制度を上手に活用することも、中小企業がDXを進める上では非常に重要だと感じています。

AIが普及する時代だからこそ、人の価値は高まる

私は、AIが普及するほど、人にしかできない仕事の価値は高まると思っています。

ゲストの気持ちを汲み取ること。

オーナーとの信頼関係を築くこと。

新しい宿泊体験を企画すること。

地域の魅力を伝えること。

これらは、まだAIだけでは実現できません。

だからこそ、AIには「知識」を任せ、人は「価値を生み出す仕事」に集中する。

そんな組織を目指していきたいと思っています。

AIは人を置き換える存在ではありません。

人がもっと活躍できる環境をつくるためのパートナーです。

MASSIVE SAPPOROは、これからもテクノロジーを積極的に取り入れながら、人にしかできない価値を磨き続けていきます。

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