2026年上半期(1〜6月)の宿泊実績を前年同期と比較してみました。
売上全体は前年を大きく上回りましたが、それ以上に興味深かったのは「どこの国・地域からのお客様が増えたのか」という変化です。
今回は国別の構成比や伸び率から、北海道のインバウンド市場の現在地を考察してみます。


日本のお客様が約3分の1、残り約3分の2が海外
2026年上半期は、日本のお客様が全体の約34%を占めました。
つまり、約66%は海外からのお客様です。
北海道の宿泊市場は、国内旅行だけでなく、インバウンド需要が事業を支える大きな柱になっていることが分かります。
海外トップ3は「韓国・台湾・アメリカ」
海外のお客様では、
- 韓国
- 台湾
- アメリカ
の3か国が上位となりました。
特にアメリカの伸びは非常に大きく、前年同期比で約2.8倍となっています。
円安の影響に加え、日本旅行人気の高まりが数字にも表れている印象です。
欧米のお客様は滞在日数が長い傾向もあり、北海道との相性の良さを感じます。
韓国・台湾は引き続き北海道の主力市場
韓国は前年から約3割増、台湾は約6割増となりました。
どちらもリピーターが多く、
- 食
- 自然
- 温泉
- 雪景色
といった北海道ならではの魅力が評価されている市場です。
札幌だけでなく、小樽や函館などへの周遊旅行も多く、今後も重要なマーケットであることは変わりません。
中国市場は以前ほどの存在感ではなくなった
一方で、中国は前年と比べて大きく割合を落としました。
2025年には海外市場の中心的な存在でしたが、2026年は韓国・台湾・アメリカ・オーストラリア・香港などに続く位置となっています。
旅行先の多様化や経済環境など、さまざまな要因が影響しているものと考えられます。
東南アジアの成長が目立つ
東南アジア各国も非常に好調でした。
前年同期比では
- タイ:約2倍
- フィリピン:約1.5倍
- マレーシア:約1.4倍
- インドネシア:約1.3倍
と、多くの国で大きな伸びが見られました。
今後も人口増加や所得向上を背景に、日本旅行需要はさらに拡大していく可能性があります。
欧米市場の存在感が高まっている
欧州も堅調でした。
特に
- イギリス
- ドイツ
- フランス
はいずれも前年を大きく上回っています。
欧米のお客様は長期滞在や北海道全域を巡る旅行が多く、宿泊事業者にとって非常に重要な市場になりつつあります。
「特定の国に依存しない市場」へ変化
数年前のインバウンドは、中国・韓国・台湾への依存度が高い印象がありました。
しかし現在は、
- 韓国
- 台湾
- アメリカ
- オーストラリア
- 香港
- シンガポール
- イギリス
- マレーシア
- タイ
- 欧州各国
など、多くの国・地域からバランス良くお客様が訪れるようになっています。
これは宿泊事業者にとって非常に良い変化です。
特定の国の景気や政策変更の影響を受けにくくなり、市場全体の安定性が高まっていると言えるでしょう。
データから見える宿泊運営のこれから
宿泊施設の運営では、「部屋を用意する」だけでは十分ではありません。
国ごとに異なる旅行スタイルやニーズを理解し、
- 多言語での案内
- 国・地域ごとの販促
- レビュー分析
- 適切な価格設定
を積み重ねることが、選ばれる宿づくりにつながります。
インバウンド市場は今も変化を続けています。
これからもデータを分析しながら、「どの国のお客様に、どのような体験を提供するか」を磨き続けることが、宿泊事業者にとってますます重要になると感じています。
