プロローグ
弊社が開業支援をさせていただいた施設のストーリーをご紹介する連載企画の第2回。今回は札幌市中央区にあるマンション1棟で賃貸業と宿泊業をされているRオーナーのインタビューをご紹介します。Rオーナーは札幌市と大分県別府市に物件を所有されています。
札幌での宿泊事業の特色や失敗しない為のポイントについて、お話をお伺いしてきました。
きっかけ

── まずはじめに宿泊事業を始めようと思ったきっかけを教えて下さい。
北海道で宿泊業を始めてみたいなと思ったのは、旅行好きでさらには北海道が大好きだったことがきっかけですね。私自身もたまに遊びに来て使う事ができれば、一石二鳥かなと。
立地的には商業地域で周辺にホテルがたくさん並んでいる場所だったので、宿泊業をやってみても失敗しないんじゃないかなと考えました。
── Massiveとはどのような繋がりだったのでしょうか。
7年くらい前、旅館業を始めるにあたって、札幌での運用方法をネットで調べていく中でMassiveさんがでてきて、ホームページからアクセスしたのが最初ですね。
── 最初は民泊でしたよね。
そうですね。なのでまずは民泊の許可を取りながら宿泊業を始めて、同時並行で旅館業の取得要件を確認しつつ、順次旅館業に切り替えたという流れです。
賃貸住戸の複合施設で旅館業を取得するのはかなり大変だというのが実状ですね。
以前は4階もやっていたんですがコロナの時に4階は撤退し、3階、2階と空いた部屋から転換していきました。
コロナの時期に順次リニューアルをしていたので、コロナ禍の3年間はいい準備期間だったのかなと思いますね。
── もともと所有していた物件の活用を考えたのではなく、最初から旅館業を目的としてこの物件を探したのでしょうか。
はい、自分の仕事のキャリアの一つとして旅館業をやってみてもいいのかなと思って始めてみました。
── 場所的にも、狸小路やすすきの、大通もすべて徒歩圏内で立地が良いですよね。
全部歩いて行けちゃいますもんね。やはり立地が良いというゲストレビューは多数いただいていますね。
── Rオーナーのすごいところは、全部屋の冷蔵庫とテレビや空気清浄機を補助金を使って導入しているんですよ。そういう補助金をちゃんと拾ってくるオーナーさんもいれば、面倒だったりするのでスルーしちゃう方もいるんですよね。
──そういう情報収集力もすごいんですね。
元々不動産賃貸業の業歴は長いので、何事も情報収集が基本かなと思っています。特に札幌は観光業に力を入れているのが明らかなので、札幌市や北海道の補助金などは良く調べましたね。
── 民泊から現在の旅館業へは、実際にはどのように移行されたのですか?途中にコロナ禍もありましたよね。
2018年の10月くらいが1部屋目のオープンで、それからコロナを経て1〜3階は全て宿泊業になり安定運用になりました。宿泊業は営業日数が180日以内に制限されているので、180日が埋まりそうなタイミングで営業日数に制限のない旅館業に切り替えていったんです。そういうスケジュール感でやっていたので結果的にはうまく365日営業できました。
── その段取りや構想はMassiveと相談されていたのでしょうか。
私もまだまだ素人ですので、スケジュール作りや申請に関してはMassiveさんに相談しながら進めておりました。
── 民泊から旅館業に切り替える際に内装や家電など変えられたと思いますが、それはどのように話が進んだのでしょう。
内装は基本的にはMassiveさんからのご提案ですね。
お金をかければ良いものは揃えられると思いますが、全てにコストをかけられるわけでもないですよね。
ベッドなどの家具よりも床や清掃面に関してのレビューがあって、それをMassiveさんにお伝えしたらすぐに全部カーペットに変えていただきましたね。迅速にご対応いただいてありがたかったです。
ちなみにこのパンチカーペットは汚れも目立たず高級感も出ますし、一石二鳥です。温かいですしね。
── 札幌の冬でも冷えを感じないですね。(インタビュー時は1月)
今までですと冬になるとスリッパを履かないと足が冷たかったのですが、これだと履かなくても大丈夫なんです。
── 他にも色々な箇所が少しずつ変わってきたのでしょうか。
そうですね。冷蔵庫や洗濯機、テレビやレンジ、トースターにドライヤーなどを揃えていきました。
だいぶ古いテレビもあったんですが、先ほどお話した補助金で壊れたものからどんどん新しくして。
今の時代、テレビでYouTubeを見たりNetflixを見たりっていうのが当たり前になってきていますよね。そういったところをちょっとずつアップデートしていっています。
印象的なエピソード

── 開業するまでに印象に残ったやり取りやエピソードなどはございますか。
開業の時は初めての宿泊業ですので、分からない事が多くて。元々不動産賃貸業の業歴は長いので、その知識をできる限りフィードバックしつつ、御社からのご提案をいただいてやっていましたね。
書類の申請に関してはある程度知識と経験はあったので、あとは札幌のレギュレーションに合わせていくという事ですかね。旅館業は行政によって全く違うのですが、札幌は結構厳しかったです。
── Massiveから札幌の特徴に合わせたやり方など、助言などはありましたか?
そうですね。無人型宿泊施設の申請に関しては当時まだあまり情報もなく、かなりMassiveさんのサポートをいただいて旅館業が取得できました。
申請時は無人型チェックインの過渡期だったので、私が申請している途中にルールが変わったりして。それを確認しながら進めていったというのは、今となってはいい思い出ですね。
── そうなんですね。ご家族や身近な方から、札幌で宿泊業を始めたことに対して反応はどうだったのでしょうか。
北海道だからというよりも、宿泊業を始めた頃はそもそも宿泊事業を始める事が珍しかったんですよね。それで子供が泊まりに来たり、友達がみんなで遊びに来てくれて楽しい時間を作れるようになったのは副次的なメリットかなと思ってます。
ある程度の人数が長く泊まるのであればホテルよりもゲストハウスタイプの方が安くあがると思いますので。実は、私の名前に「礼」が入っているのですが、それは私の親が北海道好きで礼文島からとったという話もあって。笑
北海道にも縁があるのかなとは思ってます。
Massiveの良さとは

── Massiveに頼んでよかったなと感じる点はございますか?
インバウンドのお客様方がメインの中で、多言語で素早いコミュニケーションを取ってくれる点ですね。それに関してはレビューにも結構書かれていますよ。
見ず知らずの土地に来たゲストが不安になった時に、レスポンスを的確に対応していただけるというのはありがたいです。
あと物件のトータル的なプロデュースもリスティング評価のアップに繋がるので、そのあたりも非常にありがたいですね。
── ちなみに、他社さんと比較や検討をされた事などはあったのでしょうか。
2018年頃って札幌の宿泊業管理で他社さんが出てこなかったんですよ。それでネットでMassiveさんについて拝見させていただいて、しっかりやっていただけそうな会社なのかなと思ったのが第一印象です。
── そういうエピソードを聞くと身が引き締まりますね。今後もそう思っていただけるようなホームページを作らないとって。
宿泊業をやりたい方へのアドバイス
── これから宿泊業をやりたいという方や、物件を活用したいという方に向けてアドバイスなどはございますか。
その物件が宿泊業に適しているかどうかは、しっかり見極めて進めた方がいいと思います。
関東で多いのは、ゲストハウス向けの賃貸物件をとりあえず借りて始めてしまう方が多いんですよね。
通常よりも2〜3割高い賃料で借りることになるし、なおかつ初期投資も必要。家具を買って内装を入れてお金をかけたのに、ゲストが全く来なかったという事例もちらほら聞いています。
恐らくこのような失敗事例はこれから増えていくと思うんです。なので始めるのであれば、できれば大人数が泊まれる立地、あとはリアルで管理会社と土地を選ぶのが良いかと思いますね。下調べはしっかりとして、間違いない管理会社を選ぶのも大事なのではないでしょうか。
── 管理会社を選ぶポイントはどうでしょうか?
やはり口コミですかね。運営している人にいろいろとアドバイスをもらいつつ、いい会社を紹介してもらう、というところですね。
── それはネットに載っているものではなく、リアルな知り合いからの口コミということですね。
そうですね、知り合いとか、知り合いの知り合いとか。
一緒にご飯を食べに行けば、たくさんの情報をいただけると思うので。
── この物件自体とても立地もいいし賃貸でもいけそうなところを、最初から宿泊業でと決めていらっしゃったんですよね。それは先ほどおっしゃっていたキャリアとしても宿泊業をやってみたいというのが強かったのでしょうか。
そうですね。当初は賃貸業をやっていたのですが、宿泊業をやってみてもいいのかなと。最初は右も左も分からなかったので、一生懸命インターネットで調べているうちに御社のサイトにたどり着いたんです。
賃貸業はフロアの階数が高い方が賃料が高く取れるのですが、逆に宿泊業ではゲストさんはみんなキャリーバックを引っ張ってくるので低層階の方が入りやすいというのがありまして。なので、現在の形である低層階が宿泊業、上層階が賃貸住戸というのは、建物の構造上非常に良いチョイスなのかなと思っています。
── なるほど、言われてみると確かに。うまく住み分けができているんですね。今は完全に賃貸と宿泊で階をまとめていますが、元々は散らばっていたんですよね。
最初はそうですね。同じフロアの中に賃貸住戸と宿泊業が混じると、やはりどうしてもクレームが発生してしまうんです。ですので順次まとまるように変えていきましたね。
── まとめるときのプロセス自体はそこまで大変ではなかったのでしょうか。
時間はかかりましたね。もしかしたら何か原因があって出ていってしまったのかもしれないのですが、結果的には1〜3階が全て宿泊業でまとまりました。
── 鉄筋のしっかりした作りなので、上の階でも全然音が気にならないですよね。この建物自体が宿泊業に適している。
それを見越していたわけではなく、たまたまなんですけどね。笑
ちょうどこの冬で所有して11年、宿泊業を初めて7年…となると結構早い段階から宿泊業をやっていた形になりますね。
Massiveとの関係性を高めた出来事

── ホームページの問い合わせから始まった弊社とのお付き合いですが、これでより一層Massiveとの関係性が高まったという出来事やエピソードなどはございますか。
やはりコロナ禍の3年間でしょう。
海外のゲストどころか、日本人ゲストの利用も皆無になる中で撤退していく宿泊業オーナーが多い中、時間貸し利用などで少しでも多くの売上向上を目指し、努力して頂きました。
また、コロナ禍の3年間大分県別府市の新規宿泊業向け物件のリサーチなどで、多大なアシストを頂きました。
── コロナ禍も明けて、去年1年間でいったら収益的にはどうでしたか。
令和7年3月末までの一年間で札幌と別府を合わせて売り上げベースで5800万くらいですね。内訳は椿ガーデンが7割、別府が3割です。
── Rオーナーは別府にも戸建物件を所有されていますが、割合でいったら札幌の方がかなり大きいんですね。
そうですね。札幌が9部屋で、別府は2棟というのもありますが。
ちなみに、札幌で旅館業をやっていなかったら別府での旅館業は間違いなくやっていないですよ。
── 定期的に別府に行かれて、現地でのコミュニケーションや人間関係を大切にされていますよね。
別府は築古の戸建てですので、メンテナンスやリニューアルの頻度が非常に高いんです。
例えば歪みやすい木造の玄関の修理とか、庭の定期的な整備とか消毒は地元の業者さんに定期的にメンテナンスをお願いすることになります。
スムーズにメンテナンス業務を行うためにも、現地の協力業者さんとの良いコミュニケーションは重要ですね。
── 別府の戸建に対して、札幌の椿ガーデンのようにマンションを1棟所有し、その中でフロアをまとめて宿泊施設をする事のメリットを感じることはございますか?
フロアをまとめて運営していくので私も管理がしやすいですし、おそらくMassiveさんも管理がしやすいかなと思うんですよね。
タイプが似ているお部屋なので、1つの部屋で成功すればその成功事例を他の部屋にも展開できます。それは施設をまとめてやってるメリットかなと。
── なるほど、サンプルにしやすいという事ですね。
そうですね。なので今後何かやってみたいことがあればどこかのお部屋でやってみて、それがうまくいけば他の部屋にも広げていくということが出来るんですよね。
これだけ部屋があるので、万が一1つの部屋が失敗してもそんなに痛くはないんですよ。なにか新しいアイデアがあれば、サンプル的に使ってもらっていいと思っています。
── 新しいチャレンジがしやすいというのは他にはない強みですよね。
── さきほども話していましたが、フロアをまとめるというのは賃貸の住人の方にとっても良いことで、同じフロアに宿泊業が混在しちゃうとやっぱり多少のストレスは生じてしまうと思うんですよね。
そういうところもちゃんと配慮した上での運営なので、上の階の住民からもご理解をいただいて、エレベーターでお会いした際はけっこう挨拶していただけますね。
別府での近隣の方々との付き合いと同じように、札幌のマンションでも人付き合いは大事ですよね。
今後の展望

── 最後の質問になるのですが、今後他にも物件を増やして宿泊業をやりたいなどの展望はございますでしょうか?
まだまだ増やしていくとしたら、別府はまだレッドオーシャンになっていないと思うので、機会があれば別府を増やしていきたいなと思っています。
他にも、もしMassiveさんが新しい土地に進出されるのであれば、自分自身が遊びに行きたいエリアで増やしてみたいというのも考えとしてはありますね。
別府のようなエリアは少子高齢化になりつつあって、宿泊業にコンバージョンすれば良いゲストハウスに出来る不動産も空き家になってしまうんです。そういった建物を購入、もしくは借りて宿泊業を運営していければいいのかなと考えています。
── 今後もどんどんMassiveが大きくなっていき、かつ、オーナー様にもリターンがあって。お互いが幸せになっていけるような関係性を築いていければと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
おわりに

連載企画の第2回目は、札幌と別府の2箇所で運営されているRオーナーとの対談をお届けしました。
不動産賃貸業をされている知識や経験を活かしつつ、慣れない箇所に関しては頼っていただき良い関係を築いてきたRオーナーとMassive。
⾧いコロナ禍を乗り越え関係を深めていた事は、我々が普段から積み上げている対応のノウハウが間違っていなかったんだなと自信に繋がりました。
さて、次回はどのようなお話をお届けできるのでしょうか。お楽しみに!