似鳥社長が運命的な転換点だったと語ったのは、1972年にアメリカに視察旅行をしたことでした。
ソファやベッド、ダイニングテーブルなどの隣にカーテンやカーペットといったインテリア用品が並んでいて、色やスタイルがトータルにコーティネートされていたこと。
そうした販売手法がアメリカの豊かさを支えていることに感動したとあります。
そして価格が日本の3分の1だったそうです。
そもそもの発想が、日本の場合は、作る側や売る側の都合優先だったが、
アメリカでは買う側に近い視点であったとのことです。
彼は日本はアメリカよりも50年以上遅れていると感じ、
「私の使命は家具を売って儲けることじゃない。日本人の暮らしをアメリカ並みに豊かにすることに一生を捧げて、それを生きがいにしよう」と決意します。
これはこれをロマンと呼んでます。
ロマンとは、自分自身の幸せや成長を超越したところにある願い
ロマンとは、仕事に対して、「世のため人のため、人生をかけて貢献したい」という願い
ロマンとは、「自分で成し遂げるのだ」という覚悟が伴う物
ロマンがなければ、抑揚のない退屈な人生
ロマンがなければ、「売上をあげよう、儲けよう」と自分中心
ロマンがあれば、働く目的が「人々の暮らしを豊かにすること」」となり、買う側、使う側の立場になって考えられる
それはやりがいではなく、生きがいだと。
当社にも「北海道を愉快に楽しくMASSIVEに」という理念があります。
私の周りには、大儲けしている経営者は沢山います。
けど、理念なき利益であれば、全く羨ましいとは思いません。
私がこの理念にたどり着いたのは、「北海道は良いものはあるけど、商売が下手」という言葉を何度も何度も聞いてきた中、
この素晴らしいリソースを生かし切れていないのは事実であり、そのもどかしさを感じていたことです。
そして、ここに真剣に向き合わなければ、焼畑農業のように未来のない大地に変貌してしまうという危機感が強くあります。
それは次世代に対し、素晴らしい北海道ではなく負の遺産やオワコンとなった北海道を受け継いでしまいかねません。
それが悔しかったです。
次世代に最高の形でこの北海道というバトンを渡さないといけないです。
それは誰かがやるのではなく、我々の仕事だと思ってます。