2010年に創業した当社は、シェアハウスのプロデュースと運営を札幌にて行うことを祖業としており、
その後、コワーキング(シェアオフィス)・忍者体験道場・民泊・無人ホテルなど、様々な事業プロデュースを行なって参りました。
今なお、銭湯や温泉施設、別荘地、社員寮などの再生の相談を多くいただいております。
そのバックグラウンドには、長年に渡って培ってきたノウハウの集積があります。
今回は、そのうち2つについて論じたいと思います。
(1)膨大な量の新規事業開発経験により高まった直感の精度
創業以前、私は、プロパスト及びリアルゲイトという会社にて、
千本ノックと行っても過言ではないほどの膨大な数の新規事業開発を行なってきており、そこで得た経験値は、
直感的判断を行う当たり大きなアドバンテージになっています。
新規案件を進めるべきか辞めるべきかの判断は、常にギリギリです。
しかし、現地調査・デューデリジェンス・フィージビリティ・見積・チームアサインなど、
可否の判断に必要な情報を集約するだけでもかなりの労力を要するため、ダメそうな案件は早くに「やらない」判断をしないと、
あっという間に、案件が滞留してしまいます。
そのため、現地調査以前であっても「やらない」という判断を下すことは、社内のみならず、
相談者様に無駄な時間を発生させないためにも重要なのです。
(※判断するために数週間も引っ張った挙げ口、「やっぱできません」だと本当に困らせてしまいます)
直感的判断は、いわば「長年の勘」のようなもので、数値化された情報による判断とは違い他人に説明するには難しいのですが、
これに救われたことは何度もありますし、これに従わなかったことで後悔したことも数えきれません。
(2)セルフリノベーションの実体験
2012年、私は、コワーキングカフェ36という事業を行うにあたり、全く予算がなかったため、
内装工事を自らの手で行うというセルフリノベーションを行いました。
プロが行えば、10日くらいで完了しそうな工事を2ヶ月かけて行なったため、今にして思えば、単なる自己満足だったのではないか?
とも思えますが、この経験で得たことは非常に貴重でした。
なぜなら、それ以降、様々な工事の見積りの金額の意味が自分で正しく判断できるようになったからです。
このことによって不当に高い金額を払うこともないですし、安くやってくれたケースではそのことを理解し、
感謝することができるようになりました。
出される見積もりの意味を理解せず、バカの一つ覚えみたいに相見積もりをとる人は、まだまだ多いです。
それもある意味仕方ありません。しかし、それだといつまで経っても工事会社との信頼関係は構築できません。
労働人口減少社会においては、工事会社は人員不足により受注量を増やすことはできません。
そのため、仕事も客も選びます。
そのような中で発注者として選ばれる存在であり続けることも、優秀なプロデューサーとしての必須条件になっています。
改めて整理してみると、このような一朝一夕ではできない要素はまだまだ多く存在していることに気づきます。
次回はまた別の論点から整理してみたいと思いますので、ご興味ある方は、お楽しみに!