全く期待していなかった書籍、映画、漫画、
音楽などが結果として自分にとってのベストになる事例は多い。
この書籍もその一つに入るだろう。
というか、キンドルで別の本と間違って購入したものだったので、
期待も何もあったものではない。
とある読書会の課題図書として「交通誘導員ヘロヘロ日記」が指定され、
キンドルで読もうと買ったのが、この「派遣添乗員ヘトヘト日記」なのだった。
「交通誘導員」と「派遣添乗員」を間違えるはずないだろうと言われてしまいそうだが、
「交通誘導員ヘロヘロ日記」が予想外にヒットしたため、二匹目のドジョウを狙う意図で、
作ったのが本作らしく、タイトルも続編っぽく似ていることに悪意はないのかもしれない。
とはいえ、間違って買う人がいることも絶対に狙っているだろうと勘ぐってしまう。
何れにせよ、そのターゲットとなった私としては、ちょっと複雑。
けど、その複雑さを吹き飛ばすほど、買って良かったと思ってる。
面白かった。
非常にレアな出会い方をした本書だが、
本家の「交通誘導員ヘロヘロ日記」よりも面白いというのが私の感想。
同僚、取引先、顧客など、複数の関係者が織りなす人間模様はまさにドラマであり、
リアルな実体験ゆえの毒っ気のある魅力が散りばめられている。
添乗員を中心に、バスガイドやドライバー、旅行会社、旅行商品、修学旅行など、
知っていはいるけど、詳しい実態はあまり知らなかったことがよくわかるので、
非常に勉強になった。
本当にタフな仕事だなと思った。
「お客様との最前線にたち、自分自身が悪くなくても頭を下げ続ける仕事」とか、
常にお客様アンケートによって評価され続けているという点は、
airbnbのレビューで評価され続ける我々と同じ構図であり、とても共感できる。
今後、旅行業界に就職したい人には必読の書としてお勧めしたい。
あと、私も「民泊管理者ゲロゲロ日記」とか書いて、
間違って買う人を狙おうと思う。